ノートパソコンのバッテリーは、使っているうちに少しずつ持ちが悪くなる消耗品です。
買ったころより減りが早くなると、電池が弱ったのか、使い方の問題なのか気になると思います。交換が必要なのか、まだ使えるのかも迷うところです。
まず確認したいのは、バッテリーの今の容量です。Windowsの「バッテリーレポート」で、新品のときと比べてどのくらい減っているかを調べられます。容量が大きく減っていれば交換を、まだ残っていれば使い方の見直しを考えます。
この記事では、劣化を遅らせる使い方と、交換時期の見分け方を順にご説明します。
バッテリーは、熱と満充電のまま置かれる時間で弱ります
ノートパソコンの多くは、リチウムイオン電池を使っています。充電と放電をくり返すたびに、電気をためる材料が少しずつ傷み、ためられる量が減っていきます。
そのため、同じ「100%」の表示でも、実際にためられる量は新品のころより少なくなっています。使わずにしまっておいても、劣化はゆっくり進みます。
劣化を早める主な原因は、熱と、満充電に近い状態で置かれる時間です。電池は満タンに近いほど内部の電圧が高く、その状態が長く続くほど傷みやすくなります。温度が高いほど、傷みはさらに進みやすくなります。
反対に、残量が0%に近いまま長く放置するのも、電池の負担になります。そのまま充電できなくなる場合もあるため、注意が必要です。
電池にとって負担が少ないのは、残量が半分前後で、涼しい場所に置かれている状態です。
なお、寒い日に外へ持ち出すと、残量が急に減ることがあります。低い温度で電池が電気を出しにくくなるためで、暖かい場所に戻れば、通常は表示も元に戻ります。劣化とは別の現象です。
「使い切ってから充電」は、今のパソコンには当てはまりません
「電池は使い切ってから充電しないと容量が減る」という話を、聞いたことがある方もいると思います。これはニッカド電池などで言われていたことで、リチウムイオン電池には当てはまりません。0%まで使い切るのは、かえって電池の負担になるため避けてください。
「つなぎっぱなしにすると過充電で壊れる」という心配も、通常は必要ありません。今のノートパソコンは、満充電になると自動で充電を止めるしくみになっています。
電池が傷む原因は、充電のしすぎではなく、高い電圧と熱にさらされる状態が長く続くことです。100%のまま、本体の熱を受けながら何か月も置かれる使い方に気をつけましょう。
置き場所と充電のタイミングを見直しましょう
通気口をふさがず、硬く平らな場所で使います
ノートパソコンの多くは、底面や側面の通気口から熱を逃がしています。布団やクッション、ひざの上で使うと通気口がふさがれ、本体に熱がこもります。机のような硬くて平らな場所で使うのが、手軽な対策です。
夏の車内や、日の当たる窓際に置いたままにするのも避けてください。充電しながら動画の編集やゲームなどの重い作業を長く続けると、処理の熱と充電の熱が重なります。通気口のまわりは空けておきましょう。
ふたを閉じてスリープにしたまま、鞄に入れる使い方にも注意が必要です。鞄の中でスリープが解除されると、熱がこもったまま動き続ける場合があります。持ち歩くときは、シャットダウンしてから鞄に入れると安心です。
0%まで使い切らず、20%前後で充電します
充電は、残量が20%前後になったところで行うのが理想です。毎回きっちり守る必要はありませんが、0%になるまで使い切ることは避けましょう。
何か月か使わない場合は、50%前後まで充電してから、涼しい場所に保管します。保管中も残量は少しずつ減るため、ときどき電源を入れて、半分くらいまで充電し直してください。
ACアダプターは付属の純正品を使います
ACアダプターは、基本的に付属の純正品を使ってください。出力の合わない充電器は、発熱や故障の原因になる場合があります。USB-Cで充電する機種でも、出力が足りないと、使いながら残量が減ることがあります。
つなぎっぱなしで使うなら、充電の上限を80%前後にしましょう
ACアダプターをつないだまま使うことが多い場合は、充電の上限を決める設定が役立ちます。満充電にせず80%前後で止めると、電池が高い電圧のまま置かれる時間を減らせます。
この設定は、多くのメーカーが用意しています。例えば、Lenovo Vantage、MyASUSのバッテリー充電の設定、Dynabookのeco充電モードなどです。名前や場所は機種によって違います。
設定が見つからない場合は、メーカーのサポートページを、機種名と「バッテリー」「充電」で検索してください。パソコンを起動する前の設定画面(BIOS)で切り替える機種もあります。この機能自体がない機種もあるため、すべてのパソコンで使えるとは限りません。
上限を80%にすると、外で使える時間はその分短くなります。外出や出張の前だけ上限を外して100%まで充電するなど、使い方に合わせて切り替えるとよいでしょう。
Windows 11の「電源とバッテリー」も確認しておきます
「設定」→「システム」→「電源とバッテリー」を開くと、今の残量と最近の使用状況を確認できます。バージョンによっては、アプリごとの電池の使用量も表示されます。減りが早いときに原因を探す手がかりになるので、一度見ておくとよいでしょう。
交換の時期は、バッテリーレポートの数字で判断します
持ちが悪くなった原因が電池の劣化なのか、使い方なのかは、感覚だけでは判断しにくいものです。Windowsの「バッテリーレポート」を使うと、電池の容量を数字で確かめられます。作り方は次のとおりです。
- スタートボタンを右クリックして、「ターミナル」(バージョンによっては「Windows PowerShell」)を開きます。
powercfg /batteryreportと入力して、Enterキーを押します。- 表示された保存先(通常はユーザーフォルダー)にある「battery-report.html」を開きます。
- 「DESIGN CAPACITY」(新品のときの容量)と「FULL CHARGE CAPACITY」(今、満充電にしたときの容量)を見比べます。
今の容量が新品時の60〜70%を下回っていたら、交換を考える時期です。割合は、FULL CHARGE CAPACITYをDESIGN CAPACITYで割ると計算できます。
下のほうにある「Battery capacity history」では、満充電の容量がどう減ってきたかを、期間ごとにたどれます。ある時期から急に落ちている場合は、劣化以外の不具合も疑ったほうがよいでしょう。作ったレポートは消さずに残しておくと、店で相談するときの資料になります。
容量が残っているのに減りが早い場合は、使い方を見直します
レポートで容量が8割以上残っているのに、前ほど持たないこともあります。この場合は、電池よりも使い方に原因がある可能性があります。
大きな更新のあとしばらくは、裏で処理が動くため、電池の減りが早くなることがあります。画面の明るさや、開いたままのブラウザーのタブも電池を使います。「電源とバッテリー」の電源モードが「最適なパフォーマンス」になっていないかも、確認しておきましょう。
膨らみや突然電源が落ちる症状は、早めの交換が必要です
電池の弱り方には、様子を見てよいものと、早めに対応したほうがよいものがあります。次のような症状がある場合は、交換を前提にご相談ください。
- 本体の底が膨らんできた
- キーボードやタッチパッドが浮いてきた
- 残量があるのに、突然電源が落ちる
- ACアダプターをつないでも充電されない
- 充電中に、本体がいつもより明らかに熱くなる
バッテリーが膨らんでいるときは、発火のおそれがあります。充電をやめて、できるだけ早くご相談ください。
膨らんだ電池は、押したり分解したりしないでください
膨らんだ電池を押したり、ふたを無理に閉めたり、自分で分解したりするのはやめてください。中身が傷つくと、発熱や発火につながるおそれがあります。燃えやすい物から離れた場所に置いておきましょう。
配送修理を考えている場合も、送る前に一度ご連絡ください。状態をうかがったうえで、扱い方をお伝えします。
残量があるのに電源が落ちる場合は、こまめに保存します
残量が30〜40%あるのに突然電源が落ちるのは、弱った電池が、重い処理のときに必要な電気を出しきれなくなっているためです。Windowsが正しく終了しないまま電源が切れるので、書きかけの書類が消えたり、ファイルが壊れたりする場合があります。
交換するまでは、ACアダプターをつないだまま使い、こまめに保存しておきましょう。
充電されない場合は、アダプターの故障も考えられます
「充電されない」場合は、原因がバッテリーとは限りません。ACアダプターや、本体側の充電端子が故障していることもあります。別の純正アダプターで充電できれば、原因はアダプターの側です。
判断がつかない場合は、ACアダプターも一緒にお持ちください。当店で原因を切り分けます。電源そのものが入らない場合は、電源が入らない・すぐ切れるときの修理案内をご覧ください。
バッテリー交換の費用は、基本料金・作業費・部品代の合計です
最近のノートパソコンは、電池が本体の中に組み込まれていて、裏ぶたを開けないと交換できない機種がほとんどです。当店では、分解から交換までを店内で行います。
料金は、基本料金3,300円に、バッテリー交換の作業費5,500円〜と部品代を加えた金額です。部品代は機種によって異なるため、お見積りでお伝えします。見積りにご納得いただいてから作業し、キャンセルの場合は基本料金のみです。
交換用の電池は、機種に合ったものを取り寄せてから作業します。本体の裏などにあるラベルの型番をお知らせいただければ、電池が手に入るかを事前にお調べできます。作業日数は、お問い合わせください。ご来店の際は、本体とACアダプターをお持ちください。
膨らんだ電池に押されて、ケースやタッチパッドが変形していることもあります。交換後に元の形に戻るかを確認し、ほかの部品の交換が必要な場合は、あわせてお見積りします。
キーボードの不具合も気になる場合は、交換のときにお伝えください。詳しくは、キーボードとバッテリーの修理のページをご覧ください。
組み込み型の電池は、自分で交換しないほうが無難です
互換品を買って自分で交換する方法もありますが、品質にばらつきがある場合があります。組み込み型の電池は、分解の途中でケーブルや電池を傷つけるおそれもあります。工具なしで外せる機種でなければ、修理店に任せたほうがよいでしょう。
電池以外に不満がなければ、交換して使い続けられます
バッテリーが弱ったのをきっかけに、パソコンごと買い替えるか迷う方もいると思います。電池以外に不満がなければ、通常は交換したほうが費用を抑えられます。
判断が分かれるのは、電池のほかにも気になる点がある場合です。ストレージがHDDのままで起動に時間がかかる、Windows 11に対応していない、といった機種では、電池の交換後に別の費用がかかる可能性があります。
修理と買い替えの費用の考え方は、パソコンは修理と買い替え、どっちが得? 修理店が考える費用の分かれ目で詳しく説明しています。買い替える場合は、当店の新品SSDを積んだ中古ノートパソコンも選択肢の一つです。
よくあるご質問
Q. バッテリーを交換すると、中のデータや設定は消えますか?
A. 消えません。電池は、データを保存しているSSDやHDDとは別の部品です。分解を伴う作業なので、大切なデータはバックアップしておくと安心です。
Q. バッテリーを外して、ACアダプターだけで使ってもかまいませんか?
A. 電池を取り外せる機種なら、ACアダプターだけでも使えます。ただし、停電やコードが抜けたときは、そのまま電源が切れます。作業中のデータが消えるおそれがあるため、こまめに保存してください。
Q. 外したバッテリーは、家庭ごみに出してもいいですか?
A. 家庭ごみに混ぜるのは避けてください。リチウムイオン電池は、ごみ収集車や処理施設での火災の原因になる場合があります。出し方は、お住まいの自治体の案内を確認してください。
バッテリーの状態の確認から、交換までお手伝いします
バッテリーは消耗品ですが、熱を避け、満充電のまま長く置かないことで、劣化を遅らせることができます。つなぎっぱなしで使う場合は、充電の上限設定を利用しましょう。
持ちが悪くなったら、バッテリーレポートで容量を確かめてください。新品時の60〜70%を下回っていれば交換の時期で、本体に問題がなければ、電池の交換で使い続けられます。
佐世保でノートパソコンのバッテリーの持ちや膨らみが気になる方は、PC-FIX SASEBOへご相談ください。電池の状態を確認したうえで、交換の費用と作業内容をご説明します。
